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テクノロジー

GlycoStation™糖鎖解析技術紹介

糖鎖構造プロファイリング(糖鎖解析)技術は、糖鎖への結合特性の違うレクチン(糖鎖に結合するタンパク)を多種類用いることによって実現されます。LecChip™ Ver.1.0においては、糖鎖に対して特異的な結合性を有する45種類のレクチンがスライドガラス上に固定化されています。Cy3標識した糖タンパクをレクチンマイクロアレイにアプライし、蛍光のシグナルパターンを糖鎖プロファイラー(GlycoStation™ Reader 1200)で測定します。この測定結果を元に、プロファイリングパターンから、糖鎖構造の推定(糖鎖解析)をすることができます。GlycoStationが、最もその力を発揮するのは、比較糖鎖構造解析であり、正常組織と癌組織の比較など、コントロールに対する糖鎖構造の違いを極めて簡単に導出することが可能です。

詳しくは、参考文献(久野らNature Methods 2 p.851(2005))をご参照下さい。

下図は、実際のプロファイリングパターンの一例です。

プロファイリングパターン

糖鎖プロファイラー GlycoStation™ Reader 1200で用いているエバネッセント波蛍光励起法は、弱い分子間相互作用を検出するのに効果的です。レクチンと糖鎖の相互作用は、抗原抗体反応やビオチンアビジンの反応に比べ、非常に弱いものです(表1参照)。したがって、液層に浮遊するレクチンに結合していない余分なタンパクを除く為にレクチンマイクロアレイに洗浄工程を加えるとと、多くのアフィニティー情報は消えてしまい、定量的な計測が困難になります。GlycoStationは、洗浄操作なしに、液層からダイレクトにレクチンと糖鎖の相互作用の情報を取得できるシステムであり、競合技術に対する最も大きな差別化要素となっています。

レクチンと糖鎖の相互作用

表1:模範的な分子間相互作用のKd値
  Kd (M)
レクチン-糖鎖 10-3〜10-7
抗原-抗体 10-6〜10-9
ビオチン-アビジン 10-12

レクチンと相互作用している糖鎖プローブのみが効果的に励起

よく知られているように、全反射条件下では屈折率の低い側の表面にエバネッセント波が形成されます。エバネッセント波の侵入深さは光の波長程度の領域にあり、その強度は表面からの距離に対して指数関数的に減少していきます。この性質によって、液層に漂っている糖鎖はエバネッセント波で励起されずに、レクチンと相互作用している糖鎖プローブのみが効果的に励起されます。この技術により、非常に弱い分子間相互作用を、洗浄工程無しに液層のまま、ダイレクトに測定することが可能となりました。この技術は、(独)産業技術総合研究所(AIST: National Institute of Advanced Industrial Science and Technology)と共同で開発しました。

もう一つの重要なトピックは、(独)産業技術総合研究所で開発された包括的な糖鎖-レクチン相互作用のデータベースです。これは、フロンタルアフィニティークロマトグラフィー(FAC)という手法により測定された1万通りを超えるレクチンと糖鎖の相互作用をもとに作られました。このデータベースは、糖鎖プロファイリングにより得られる複雑なレクチンと糖鎖のアフィニティーパターンから、その糖鎖構造を推定し理解するためには有用なツールとなります。このデータベースは、現在公開されています。

GlycoStationの概要をビデオでご覧下さい。

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